鳥羽日記

なんとか亭日乗

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2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ねむけ

書店に行くと井上雅彦ら実力作家らのアンソロジー『さむけ』をよく目にする。表紙が黒字に白抜きの著者名と四角い枠内のタイトルだけなので、結構目立つのだ。……まぁそれだけの話だ。 一体なぜこんな話をしたのか。それはこういう次第である。一週間程度更新…

プロテスタンティズムの倫理にプロテスト

タイトルで驚いたかと思われるが、私はカトリックではないし、なんなら初詣とかハロウィンとかクリスマスとか、世俗化され切った元宗教的行事に潮流に乗るまま参加するただの凡夫である(ハメは外さないようにしている)。それよりも、問題なのは『プロ倫』だ…

「大人の階段を上る」という構造に気づく

今週のお題「大人になったなと感じるとき」 今週のお題というものに初めて挑戦する。 しょっぱなから面倒くさいことを書かせてもらうが、大人/子供の二元論的価値観からの脱却、それこそが「大人」というプロセスなのではないか。すなわち、20歳を過ぎたら一…

「パラサイト 半地下の家族」評価の評価、座標軸が少ない観客の怠慢について、今一度再考を

1.金曜ロードショーよ、もっと洋画を放送して 金曜ロードショーでポン・ジュノ監督作「パラサイト 半地下の家族」が放送されている。カメラワーク、軽妙な科白回し、観客をグラグラ揺さぶりにかかる展開、などなど評価すべき点は多岐に渡るが、いずれも既に…

聖別とのろいとまじない(序?)

ホラーやファンタジー作品において、非異常的な物品が異常性を帯びる、つまり聖別されることについて考えている。 例えば清水崇監督作の「輪廻」において、過去に起こった事件と現在を繋ぐ媒体として8ミリカメラが登場する。物語に関わる際の演出や内部に録…

義務レットには早すぎる

明けましておめでとうございます。今年もまたよろしくお願いします。 新年は何かしら世界的な文学作品を読みながら迎えるということは前にも記した通りだが、予定していたバルザックではなく、ダンテの『神曲 地獄篇』を読むことにした。河出文庫の平川祐弘…