鳥羽日記

なんとか亭日乗

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義務レットには早すぎる

 明けましておめでとうございます。今年もまたよろしくお願いします。

 

 新年は何かしら世界的な文学作品を読みながら迎えるということは前にも記した通りだが、予定していたバルザックではなく、ダンテの『神曲 地獄篇』を読むことにした。河出文庫平川祐弘訳だ。まだ序盤も序盤。更に言うならば『煉獄篇』や『天国篇』まで読むかは分からない。『天国篇』は特に難解なようなので、尻込みするばかりだ。こういうときに困るから古典的な名作は早いうちに読んだ方が良いというのに……とほほ……。

 正月だからとて特に言うことはない。そもそも正月だからといって何か特別なものが天から降ってくるわけではない。我々が特別な日にするよう努める日というだけなのだ。努力義務であって義務ではない。よって特別な日にしなければならない訳ではない。証明終わり!!

 ギムと言えば、レイモンド・チャンドラーのマーロウシリーズの名台詞に「ギムレットには早すぎる」というものがあるが、これを言ったのはマーロウ自身ではないことが意外に知られていない。

 ここでふと思う。ボッティチェリの描いた漏斗状の地獄、なんだかグラスに似ていないだろうか? これで酒を干したらさぞ刺激的な味がするに違いない。きっと極上の味だろう。あぁ。新年早々、酒が飲みたい。