鳥羽日記

なんとか亭日乗

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サムーいギャグ

 こう寒いと、アニメにありがちなカチンコチンに凍り付くギャグ的な演出が思い出される。ポケモンで言うならばれいとうビームを食らった後のあれだ。この演出なのだが、実際のところ人間が氷漬けになると一瞬にして死んでしまうらしい。血管や臓器、脳まで凍ってしまうからだろうか。恐ろしい話である。

 そんな事情でコミカルなアニメ御用達の氷漬け演出だが、昔観たリアリズム重視のアニメ映画にもそんなシーンがあった。「機動警察パトレイバー the Movie」だ。

 序盤から中盤にかけてのシーンに、登場人物の一人が氷漬けになるシーンがある。最初それを観たとき、割とシリアスな局面だっただけに先述のように脳まで凍り付いて死んでしまったかと思った。しかし、数秒後のシーンで生存していることがさらっと明かされ、「あいつは今風呂に入ってる」だったかそういった旨のセリフが他の登場人物から発せられることにより、結局コミカルな演出に過ぎなかったのだと判明する。しかし、ああもカチンコチンでは折角のギャグも笑うに笑えない。いかんせんリアル寄りの作品だったからということもあるだろう。

 実は、氷漬けでもう一つ思い出すアニメがある。「Mr.インクレディブル」だ。序盤で登場人物が氷漬けになるのだが、こちらでは氷漬けになった人間が目をキョロキョロと動かしており、生存が一瞬にして確認できる。すなわち、ギャグ的な演出であることが一目瞭然なのだ。

 ギャグが上手くハマらないとき、それはサムいと形容される。どうしてギャグはサムくなるのか。ひとまず、ギャグだと一瞬にして分かる要素をギャグ自体に内包してはどうか。疑問も氷解するかもしれない。