鳥羽日記

なんとか亭日乗

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保留の美学

 今日、『テクノロジーの世界経済史』をKindleで購入した。ポイント半額還元セール中だったため、総額だいたい1700円くらい戻ってくる。嬉しー。

 よく「買わない理由が値段なら買え、買う理由が値段なら買うな」という文句が叫ばれるが、この場合は元々買いたかったものが値下げされたために買いやすくなったというだけなのだから、何ら問題はない。しかし、こういった文句が出回ると本当に欲しいものは何なのか分からなくなってしまう。

 仮に還元セールが行われなかったら私はこの本の購入を保留にしただろうが、かと言って元から欲しかったという感情が消える訳ではない。買う理由も買わない理由も相応にあっての保留なのだ。買う理由が存在しないものに対しての保留は存在しない。そういう訳で、買わない理由が値段でも無理して買う必要はない。保留するのも戦略だ。

 マクロな視点の経済本を前にしてこのようなミクロな思索を迫られるとは、自分自身の矮小さを痛感するばかりである。